【声明】尼崎市議会におけるLGBT教育に関する不適切な発言について


2025年10月4日
特定非営利活動法人 MixRainbow

令和7年9月3日の尼崎市議会において、高野由里子議員がLGBT教育について発言された内容の中に、事実に基づかない不適切な表現がありました。当団体は尼崎市内でLGBT教育に関わる立場として、この発言が市民に誤解を与え、当事者を傷つける可能性があることを憂慮し、以下の通り見解を表明します。

【高野議員の発言骨子】:

市内の小学校におけるLGBT教育を担当した講師がネット上で同性愛者同士の出会い系サイトのようなものを運営しており、子どもへの悪影響がある。

  • 講師がその様なサイト運営に関わっている点
  • この様なサイトは未成年の性的搾取に関わっているサイトがある点
  • これらの講師が授業ではこれらについての発言は行っていないのであるが、不適切ではないか。

以上の3点を含む発言がありました。

【当団体の見解】

 当該議員の発言は全く事実と異なるものであり、この発言により多くの誤解をもたらす可能性があるため、ここに意見を表明します。以下に相違点を述べます。

① 講師が「同性愛者同士の出会い系サイト」を運営しているとの発言は誤りです。実際は、異性愛者向けと同様の結婚相談所を同性間にも開いているもので、登録時の年齢確認や面談による厳格なチェックを行っています。

② よって、未成年の性的搾取といった不当な指摘は根拠がなく、失当です。

③ 授業において相談所の活動に触れた事実は一切なく、議員ご自身もそれを認めていながら、サイトの運営を理由として、「講師として不適切」と述べられたのは、論理の飛躍です。学校の授業では、専門家として専門的知見を講演したものであり、サイトの運営に関して触れたと言う事実は一切ありません。

そもそも、結婚相談所を運営している者が結婚について話すことが不適切なのであれば、それは専門家が専門についての知見を講演することを否定するということであり、社会問題の解決へ向けた取り組みを思い込みだけで済まそうとする意図が強く伝わってくる。たとえそれが男女間の相談所であろうが同性間の相談所であろうが、どちらも同一である。

また、結婚相談所の運営を「悪質な出会い系サイト」と同一視することは、同性間の結婚相談を正当な社会的取り組みとして認めないことにつながり、ひいてはLGBT当事者を不当に貶めるものであり、明らかな差別にあたります。

今後は、事実に基づいた正確な理解のもとで発言いただくことを強く求めます。

以上